FabLab SENDAI – FLATには、Tシャツなどの布製グッズづくりに使用できる様々なマシンがありますが、どれを選べばいいか迷ってしまうという方も多いのではないでしょうか?
そこで、それぞれにどんな特徴があり、どんなものが作れるのかを全8回に分けて詳しくご紹介します!

オリジナルTシャツを作りたい!シリーズ
①DTFプリンター:基本情報編/制作手順編(このページです。)
②カッティングマシン:基本情報編制作手順編
③デジタルミシン:基本情報編制作手順編
④UVプリンター:基本情報編制作手順編


今回は「DTFプリンター」を使ったTシャツの制作手順をご紹介!
(※Tシャツ以外もこの手順で制作可能です。)
DTFプリンターは、特殊なフィルムに図柄を印刷した”転写シート”を作成してくれるプリンターです。“転写シート”に印刷された図柄は、布や木材など様々な素材に転写することができ、更に“ホワイトインク”を印刷できるため、黒などの濃い色の素材にも図柄を鮮やかに転写可能です。

[参考ページ]
DTFプリンターとは?:https://fablabsendai-flat.com/2023/04/22/dtfprinter/
DTFプリンターの制作サンプル:https://fablabsendai-flat.com/2023/05/06/dtfprinter_sample/

① 図柄データを作成する。

横 200mm × 縦 285mmに収まるように図柄データを作成します。
ここではAdobe Illustratorを使用していますが、InkscapeやPowerPoint、GIMP、Procreateなどのソフトウェアを使用してももちろん問題ありません。(データ形式は、ai、pdf、psd、png、jpg、bmp、gif、svg、tifなどに対応しています。)
もし画像のサイズ調整等が難しい場合は、FabLab SENDAI – FLATのパソコンでスタッフが対応させていただくことも可能ですのでご相談ください。

② 図柄データをDTFプリンターで印刷する。(※スタッフが行います。)

図柄データをFabLab SENDAI – FLATのパソコンに読み込み、ホワイトインクなどの設定を行います。設定が完了したら、DTFプリンターで特殊なフィルムへ印刷します。フィルムへの印刷時間は1分程度です。

③ 図柄を印刷したフィルムと、糊シートを熱圧着する。(※スタッフが行います。)

図柄を印刷したフィルムと、糊シートをヒートプレスマシンに乗せ、155度で120秒程度熱圧着します。圧着が完了したら、熱いうちに糊シートを剥がします。これにより、糊シートの糊が図柄にのみ貼りついた状態となり、転写シートが完成します。
(図柄の背面に糊をつけるため、フィルムには図柄は反転された状態で印刷されています。)

④ 転写シートの不要な部分を切り取る。

取り扱いをしやすくするために、転写シート(図柄を印刷したフィルムに、糊シートを熱圧着したシート)の不要な部分を大まかに切り取ります。
尚、データ上で中抜きにしていた箇所(画像の英字部分など)は、切り抜く必要はありません。(印刷がされておらず糊も圧着されていないので、素材に転写されません。)

⑤ Tシャツに転写シートを載せ、ヒートプレスマシンで熱圧着する。

ヒートプレスマシンにTシャツをセットし、1度プレスをして表面のシワを伸ばします。
その後、図柄をプリントしたい場所に転写シートを載せ、その上にワックスペーパー(クッキングシート)を被せて熱圧着します。圧着温度と時間は素材によって異なりますが、今回使用した綿100%のTシャツの場合は、155度で30秒程度プレスしました。

⑥ Tシャツが冷めたら転写シートをはがし、再度ヒートプレスをする。

Tシャツが完全に冷めたら、転写シートの透明フィルムを慎重に剥がします。この時点では、図柄の表面はとてもツルツルしており転写が甘い状態なので、ワックスペーパー(クッキングシート)を被せて再度熱圧着します。こちらも今回は155度で30秒程度プレスしました。

⑦ 完成!

完成したものがこちらです。データ通り、はっきりと図柄が転写されています。(英字箇所は黒色でプリントしているのではなく、Tシャツ生地が見えている状態です。)

DTFプリンターで制作した転写シートの場合、ヒートプレスマシンでの熱圧着が可能であれば基本的にどこにでも転写ができるので、上の画像のように袖口などにも図柄を入れられるのが面白いポイントかなと思います。

FabLab SENDAI – FLATにサンプルをご用意していますので、ご興味のある方はぜひお手にとって見てみてくださいね!