FabLab SENDAI – FLATには、Tシャツなどの布製グッズづくりに使用できる様々なマシンがありますが、どれを選べばいいか迷ってしまうという方も多いのではないでしょうか？
そこで、それぞれにどんな特徴があり、どんなものが作れるのかを全8回に分けて詳しくご紹介します！
オリジナルTシャツを作りたい！シリーズ
①DTFプリンター：基本情報編／制作手順編
②カッティングマシン：基本情報編／制作手順編
③デジタルミシン：基本情報編／制作手順編
④UVプリンター：基本情報編／制作手順編（このページです。）
今回は「UVプリンター」を使った制作の基本情報をご紹介。
UVプリンターは、紫外線（UV）で硬化するインクを使用し、通常のプリンターでは印刷が難しい素材（木材やアクリル板などの厚くて硬い素材、布やティッシュなどの薄くて柔らかい素材など）にもフルカラーで図柄を印刷できるプリンターです。
［参考ページ］
FabLab SENDAI – FLATでの使用例：https://www.flickr.com/photos/flat-sendai/albums/72157679861997664
UVプリンター「Roland LEF-12」使用方法：https://fablabsendai.github.io/how-to-use-UVprinter-LEF-12/
① 図柄データを作成する。
幅305mm × 縦280mmに収まるように図柄データを作成します。図柄データは、印刷をしたい図柄以外にも必要なデータがあります。
右上の画像が印刷をしたい図柄のデータです。これは、普通のプリンターで印刷するときと同じ、フルカラーのデータであればOKです。
左下の画像はホワイトインクでプリントをする画像のデータです。UVプリンターでホワイトを印刷する箇所は、それ専用の色（特色）を使ったデータを作成する必要があります。今回は、ロゴ部分のみ何も印刷をしないため白色にし、ホワイト印刷をする箇所を専用の色（グレー）にしています。
右下は図柄の印刷位置を示す枠のデータです。今回のように上下が分かりにくい図柄を使用する場合は、目印をオススメです。（今回は小さな矢印を付けています。）
このようなデータが必要なため、できればAdobe Illustratorを使って図柄データを作成していただくと安心ですが、手書きのイラストなども調整をすれば印刷することが可能です。
② Tシャツの印刷面を平らにするために板材をセットする。
UVプリンターでは平らな面にしか印刷ができないため、布にプリントする場合はシワをよく伸ばし、段ボールなどの平らなものに貼り付ける必要があります。そのため、今回はMDFという板材をTシャツの中に入れ、表面が平らになるように固定しました。
図柄の印刷位置が分かるよう、右の写真のように図柄を印刷した紙などをTシャツに貼って作業をするのがおすすめです。
③ UVプリンターの印刷ベッドに、印刷位置を示す枠を印刷する。
UVプリンターは、ベッドと呼ばれる印刷台に素材を載せて印刷をします。ただし、パソコン上では正確な印刷位置を確認することが難しいため、ベッドに薄い紙を貼っておき、そこに印刷位置を示すマーカーを印刷しておく必要があります。
今回は、手順①でご紹介した黄色い円を印刷しました。
④ UVプリンターにTシャツをセットし、下地をホワイトインクで印刷する。
③で印刷した枠に合わせて、UVプリンター内にTシャツをセットします。セットが完了したら、図柄の下地をホワイトインクで印刷します。およそ20分で印刷が完了しました。
（今回は黒色のTシャツに図柄を印刷するためホワイトで下地を印刷しましたが、薄い色のTシャツや下地が不要な場合はこの手順は不要です。）
⑤ フルカラーで印刷する。
ホワイトインクでの印刷が完了したら、続けてフルカラーで図柄を印刷します。こちらはおよそ10分で印刷が完了しました。
⑥ 完成！
完成したものがこちらです。図柄ははっきりと印刷されていますが、ややかすれた風合いです。（ロゴ部分は黒色でプリントしているのではなく、Tシャツ生地が見えている状態です。）
インクが布地に染み込んでしまうためか、白色部分がやや薄めの仕上がりとなっています。素材の色味によっては、各インクで複数回重ねて印刷すると、より発色が良くなるかもしれません。
また、印刷直後はインクの匂いも強めなので、1日程度置いてから使用すると良いかと思います。
印刷の準備がやや手間がかかることと、ものによっては発色が弱いという弱点はありますが、淡い色合いのもの（ぼかしなどを多用するものなど）をとにかくすぐに作りたい！というシーンではご活用いただけるかなと思います。また、インクもある程度の伸縮に耐えるので、靴下などの伸縮性が必要なものへの印刷にも活用できそうです。
FabLab SENDAI – FLATにサンプルをご用意していますので、ご興味のある方はぜひお手にとって見てみてください！