FabLab SENDAI – FLATには、Tシャツなどの布製グッズづくりに使用できる様々なマシンがありますが、どれを選べばいいか迷ってしまうという方も多いのではないでしょうか?
そこで、それぞれにどんな特徴があり、どんなものが作れるのかを全8回に分けて詳しくご紹介します!
オリジナルTシャツを作りたい!シリーズ
①DTFプリンター:基本情報編/制作手順編
②カッティングマシン:基本情報編/制作手順編(このページです。)
③デジタルミシン:基本情報編/制作手順編
④UVプリンター:基本情報編/制作手順編
今回は、カッティングマシン(カッティングプロッタ)「Silhouette CAMEO」を使ったTシャツの制作手順をご紹介!
(※Tシャツ以外もこの手順で制作可能です。)
カッティングマシンは、パソコンからデータを送信すると、マシンに取り付けられた小さなカッターの刃で薄いシート状の素材を切り抜いてくれるマシンです。シール台紙や様々な紙、フィルムなどを切ることができます。ここでは、熱で接着できるアイロンシートをカッティングマシンで切り抜き、ヒートプレスマシンで接着するという方法をご紹介します。
[参考ページ]
FabLab SENDAI – FLATでの使用例:https://www.flickr.com/photos/flat-sendai/albums/72157649775089828
カッティングマシン「Silhouette CAMEO」使用方法:https://fablabsendai.github.io/how-to-use-cutting-plotter-CAMEO/
カッティングマシン「CRAFTROBO」使用方法:https://fablabsendai.github.io/how-to-use-cutting-plotter-CRAFTROBO/
① 図柄データを作成する。
使用するアイロンシートのサイズに収まるように図柄データを作成し、カッティングマシン専用ソフトウェアで読み込みます。
今回は、Adobe Illustratorを使用していますが、InkscapeやPowerPoint、3DCADソフトウェアでもデータを作成できるほか、カッティングマシン「CAMEO」専用ソフトウェア「Silhouette Studio」も使用可能です。(IllustratorやSilhouette StudioはFabLab SENDAI – FLATのパソコンでご利用いただけます。)
また、アイロンシートの接着面側から切り抜き加工を行うので、図柄データは左右反転させておきます。
② カッティングマシン用台紙にアイロンシートをセットする。
カッティングマシン用の台紙に、糊面が上にくるようにアイロンシート(オレンジのシート)を貼り付け、カッティングマシンにセットします。
③ マシンにデータを送信し、アイロンシートを加工する。
パソコンとカッティングマシンを接続し、カッティングマシン用ソフトウェアからデータを転送し、切り抜き加工を行います。今回は直径18cmの円の中にFabLab SENDAI – FLATのロゴを組み込んだデザインで、切り抜き加工にかかった時間は約3分でした。
④ 切り抜き加工の完了。
切り抜き加工を行った箇所がやや白っぽく浮かび上がっています。今回は直径18cmの円の中にFabLab SENDAI – FLATのロゴを組み込んだデザインで、切り抜き加工にかかった時間は約3分でした。
使用したアイロンシートには、実際に貼り付けるオレンジ色のシートの上に透明フィルムが貼られていました。そのため、この後の作業のしやすさを考慮し、切り抜き加工ではオレンジ色のシートのみをカットしています。(カット時の刃の長さや圧力を調整することで、素材を完全に切り抜くのか、途中までしか切り抜かないのかを設定可能です。)
⑤アイロンシートの余分なパーツを取り除く。
ピンセットなどを使用し、アイロンシートの余分なパーツを剥がして取り除きます。右の画像のように、Tシャツに貼りたくない箇所は全て剥がします。
⑥ Tシャツにアイロンシートを載せ、ヒートプレスマシンで熱接着する。
ヒートプレスマシンにTシャツをセットし、1度プレスをして表面のシワを伸ばします。
その後、アイロンシートを貼り付けたい位置に載せ、その上にワックスペーパー(クッキングシート)を被せて熱圧着します。圧着温度と時間は素材によって異なりますが、今回使用した綿100%のTシャツとアイロンシート(ユーロポート/艶消スタンダード RMS)の場合は、155度で30秒程度プレスしました。
⑦ Tシャツが冷めたらフィルムをはがし、再度ヒートプレスをする。
Tシャツが冷めたら、アイロンシートの透明フィルムを慎重に剥がします。この時点では、図柄の表面はとてもツルツルしているので、ワックスペーパー(クッキングシート)を被せて再度熱圧着します。こちらも今回は155度で10秒程度プレスしました。こうすると、右の画像のようにアイロンシートの表面がマットになり、Tシャツにしっかりと貼りつきます。(長時間プレスしすぎると、アイロンシートが溶けるなど変形してしまうので注意が必要です。)
⑧ 完成!
完成したものがこちらです。データ通りにアイロンシートが切り抜かれ、しっかりと接着されています。
アイロンシートを使用する場合、ヒートプレスマシンやアイロンでの熱接着が可能であれば基本的にどこにでも転写ができるため、上の画像のように袖口などにも図柄を入れられるのが便利です。
今回はTシャツの前面に艶消しのオレンジ色のシートを、袖口にホログラムのピンク色のシートを使用しました。この他にも、アイロンシートには上の写真のような蛍光色や柄物のほか、蓄光や発泡タイプなど様々なタイプがあるので、シンプルな形状でもユニークな仕上がりにできるのが楽しいですね。
FabLab SENDAI – FLATにサンプルをご用意していますので、ご興味のある方はぜひお手にとって見てみてください!