こんにちは、ますだです。
「FABCAMP」、2番目のレポートはわたしが担当します。
ページ下部にはほかのラボの方々のレポートブログをまとめましたので、よろしければそちらもご覧ください。
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Introduction
FabLab Japan Network は、ウェブ上での情報共有のほかに、定期的なイベントを開催しています。今回のFABCAMPもそのひとつです。まさに文字通り、朝から晩までもくもくとものづくりをし続けるという、キャンプな3日間でした。
会場となったFabLab北加賀屋は、2013年にできたラボです。昨年のFabLab Japan Network会議の帰りに見学させていただいたことがあるので、よろしければこちらのブログをご覧ください。(全国いろいろラボ見学 〜②FabLab北加賀屋編〜)
Material Finishing Workshop
今回のFABCAMPは、全国各地(+Bohol)のラボから12個のワークショップが集まりました。そのうちの4つ、「Making core XY fabric plotter workshop」、「Material finishing workshop」、「Making bending iron workshop」、「廃材FAB workshop」を、ファブラボ仙台のスタッフそれぞれが主催しました。各ラボ1つあるかないかの状況で、4つもワークショップを持ち込むあたりなかなか元気なラボだなとおもいます。
わたしが担当した「Material finishing workshop」は、レーザーカッターや3Dプリンタを使って作られた造形物の“仕上げ方法”を学ぶワークショップです。今回は、木材をレーザーカッターで切断する際に発生する焦げの処理方法と、天然素材を使用したオイルフィニッシュを行いました。準備物や方法についてはすべてFabbleにまとめているので、そちらをご覧ください。(木の実をつかったオイルフィニッシュ)
6名の方々に参加していただいたのですが、みなさん普段からものをつくっている方々なのでやはりとても手先が器用です。一度手順を説明しただけで、あとは黙々と作業していきます。特に熱中して作業してくださったのが、ファブラボ北加賀屋の山口さんと、ファブラボ山口の粟屋さんです。おふたりとも選んだ葉っぱの輪郭線がかなりむずかしい向きでしたが、とてもきれいに焦げを削ぎ落としています。すばらしい仕上がりです!
ちなみに、当日使用したクルミ・栗・どんぐりなどの木の実は、天気の良い日に野山で拾ってきたり、道の駅を巡って新鮮なものを揃えました。あまった木の実は食べれるところがこの手法のよいところです。みなさんもいろいろな素材で試してみてくださいね。
Plastic recycle workshop
1日目は自分が主催したワークショップに掛かりきりで他を見ることができませんでしたが、2日目は慶應義塾大学 祖光さん&徳島さんによるプラスチックのリサイクルワークショップに参加しました。FabLab Boholがあるフィリピンでは、容易にリサイクルすることができないポリエチレン製のビニール袋(レジ袋)のゴミ問題が深刻なのだそうです。そこで、これらのビニール袋を集めて何らかの加工をして、素材として新たな利用方法ができないかというプロジェクトを進めているとのこと。今回は、ビニール袋をヒートプレスしてシートをつくる方法を勉強させていただきました。
プレス完了後、わくわくしながら取り出してみたものの、熱収縮が発生することを忘れていたので、1回目は穴あきだらけの仕上がりになりました。どうやらたっぷり重ねないと穴が開いてしまうようです。ちょっと欲張って入れるくらいが丁度いいそう。ということで、2回目は全員1回目より多くビニール袋を重ねてみました。重ねれば重ねるほどごわつくので、ファブラボ太宰府の中澤さんがひとつのビニール袋の中にしまいこんでいくという作戦に出ていました。わたしも真似してビニール袋をパンパンに詰めてみました。
しかし、なぜかわたしだけまた穴が空くという結果に…
この辺でワークショップ時間が終了でしたが、どうしてもシートが欲しかったので、無理を言ってこの状態から挽回する方法を教えていただきました。なんとなく、このシートを半分に切って重ねてもう一度ヒートプレスすればよいのでは?と思っていたのですが、一度ヒートプレスすると表面が酸化してしまうのできれいにくっついてくれないそうです。なので、酸化していない面同士で貼り付けるために、カッターナイフで表面に細かい傷をつけてからプレス機に入れる方法をとります。こうすることで何層も貼り合わせて分厚いシートをつくることが可能になるのだそうです。
左下、みなさんよりだいぶ小さい仕上がりですが、なんとか完成しました(失敗した1回目は左上)。カラフルで丈夫そうなシートなので、これで何をつくろうか考え中です。このくらいの大きさであれば、レーザーカッターでシートを切断加工して、カードケースやコインケースをつくるのもよいかもしれません。
ちなみに、仙台に帰ってからアイロンと重石を使って実験をしてみました。やはり熱を加えながら重さを加えることができなかったので、ワークショップでつくったものに比べ、表面の凹凸は若干目立ちます。いずれプレス機の作り方をまとめてくださるそうなので、たのしみにしています。
Food & Drink
上記以外にも朝から晩まで様々なワークショップやトークセッションが開催されました。FABCAMP期間中にマシンを開発するワークショップは、夜も会場に残って作業を続けていたようです。24時間あたまもからだも使うのでだんだん体力がなくなりそうなところですが、ファブラボ北加賀屋のみなさんが用意してくださった美味しいごはんのおかげで、毎日元気に活動できました。ファブラボ北加賀屋の番頭・望月さんが玉ねぎ60個をみじん切りして作ったカレーや、ファブラボ北加賀屋で育てているミントでつくったモヒート、そしてバーベキュー、どれもとても美味しかったです。よく食べ、よく飲みました。
夜のトークセッションのあとは、会場のあちこちで夜な夜な熱い議論が繰り広げられていました。わたしも、普段直接お会いすることが少ない方とたくさんお話をさせていただきました。メールやSNSではなかなか聞きづらい質問を思い切ってぶつけてみましたが、みなさん親身になって相談に乗ってくださいました。本当にありがとうございます。また、それぞれのラボが抱えている問題、これからどうしたいのか等のお話しを聞くこともできたので、大変勉強になりました。当たり前のことですが、直接面と向かってコミュニケーションをとると、より一層仲良くなれた気がします。こうして仲良くなることで、個人やラボ間で協力し合うようなプロジェクトが生まれるのかなと思います。
Acknowledgment
最後に、ファブラボ北加賀屋のみなさん、そして今回とりまとめをしてくださった白石さん、本当にありがとうございました。あの人数でみんな仲良くわいわいものづくりを楽しむことができたのはみなさんのおかげです。70人規模のイベントだったので、当日の運営はもちろん、スペース確保のための大掃除や設営など、事前の準備も大変だったことと思います。
本当に、本当にありがとうございました。またお土産たくさん買って会いに行きます。
Link
今回、FABCAMPに参加したラボがそれぞれレポートブログをアップしています。
下記にリンクをまとめておきますので、ぜひぜひご覧ください。
また、SNSで「#fabcamp2015」のハッシュタグを検索すると、参加者のみなさんが投稿した写真がたくさんアップされています。こちらもぜひチェックしてみてくださいね。
FabLab Kitakgaya
http://fablabkitakagaya.org/noncategory/2982/
FabLab Oita
http://www.faboita.org/archives/3190
FabLab Hamamatsu / TAKE-SPACE|Facebookページ
https://www.facebook.com/takespace/posts/752770948161950
FabLab Dazaifu
http://fablabdazaifu.com/archives/1342
FabLab Yamaguchi
http://fablabyamaguchi.com/2015/10/16/fabcamp2015-01/
Yama Kitchen
http://yamakitchen2015.tumblr.com/post/131150265763/fab-camp2015%E3%81%94%E3%81%AF%E3%82%93%E7%B7%A8
kuralab.
http://kuralab.main.jp/?p=5966