こんにちはスタッフ大網です。
7/10(金)に開催された第2回定例犀の様子をレポートします!

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定例犀(テイレイサイ)とは?

FabLab SENDAIにて定期的に行われている、3DモデリングソフトRhinocerosユーザーのためのイベント。
ソフトウェアの使い方をネットや書籍などで学ぶのも大切だが、直接ユーザ同士が集まることでピンポイントで知りたい質問を聞けたり、多分野で全く異なる使い方をしている人達と会うことができるのではないかという事で始まり、今回は第2回目の開催となった。毎回、建築、プロダクト、ロボティクス、グラフィックと多種多様な背景を持つ参加者が集まり、Rhinoについての情報交換を活発に行なっている。

前回はRhino小技自慢大会ということで、仙台のRhinoユーザ同士のMeetUpも兼ねて、ちょっとした小技を教えあう会を開催したのですが、(第1回目の様子はコチラにまとめられています。) 情報共有をしていく中でマウスとキーボードの操作も良いが、液晶ペンタブレットでの3Dモデリングも没入感があり作業しやすいとの意見があがりました。なるほど、ソフトを操作する機材を変えることでまた違った使い方もできる、それは是非体験してみたい。

ということで今回は、株式会社Wacom様に協力いただき、液晶ペンタブレットを貸して頂きました!

使わせていただくのは、単体で使うことも可能な持ち運びしやすいCintiq Companion

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そして、大きな画面で広々使える大型液晶ペンタブレットCintiq 22HDです。

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今回集まった参加者の皆さんは全員が液晶ペンタブレット未経験者。
基本的な使い方の説明の後、それぞれペンタブレットでRhinoを時間いっぱい使ってみます。

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開始直後は、なれない環境に戸惑い思うようにモデリングが出来ない方が多かったですが、20分もすると直感的な操作が面白いとの声が上がってきました。さらに、ペンタブレットの画面端にあるボタンにRhinoでよく使うコマンドを割り当てられる事を知ると、「このボタン配置が良い!」「いや、そのコマンドはこっちのボタンの方が合ってる!」と情報共有しつつ、タブレットの可能性を探っていました。

また、タッチペンの普段使う芯の部分ではなく、頭の部分でのタッチ(シャーペンでいう、消しゴムの部分)にも機能を割り振ることができます。ここに“Delete(消去)”の機能を設定すると、本当のペンのように芯の部分でモデルを作成し、失敗したらペンの前と先を持ち替えて、消しゴムで文字を消すように3Dモデルを消すことができるんです!あたりまえのことなんですが、日常的に本当の紙とペンでやってることを、デジタルでもできるようにカスタマイズできると、より作業効率が上がりそうだなと感じました。

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さらに、可能性を感じたのがこれ↑、『ラジアルメニュー』という機能なんですが、上の写真のようにいつでも8つのコマンドのセットが呼び出すことが出来て、さらにこのコマンドも1つ1つカスタマイズ可能なんです。8つでも足らない場合は登録できるコマンドを増やす機能(サブメニュー、動画参照)もあるので、平面に線を描くときによく使うコマンドセット、立体にちょっとした修正を加えるときに役立つコマンドセットみたいに、作業の場面に応じてコマンドセットを登録しておくのもいいかもしれませんね。

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こっちのモデルにはタッチパッド機能も備わっていて、ペンで3Dモデルを描きながら、机の上の紙を手でずらすように、指でタブレットを触ることで画面内の視点のズームや回転などをすることができます。

完璧に使いこなせているわけではないけれど、そろそろみんなペンタブレットに慣れてきたかなー
というその時、ある参加者の方に「自分で作った3Dモデルのデータをペンタブでいじっていいですか?」と聞かれ、どうぞどうぞと2つ返事で快諾。一体どんなモデルを持ってきたのだろうと見せてもらうと、スゴい光景が広がっていました。

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思わずモデルが映し出されているパソコンの前に集合してしまう一同 ↑

そして、持ってきていただいたモデルがこちら↓
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画面に映し出されたのは細部までしっかりと作りこまれたロボットの姿。なんと自分で組み上げたプラモデルの各パーツをノギスで計測しつつ、説明書に書いてあるデータを照らし合わせながら、Rhinoを使って3Dデータに落とし込んだそうな。Rhinoは使い始めてまだ半年という脅威の成長スピード、凄まじいッ!!

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もちろん、ペンタブレットでデータをいじってもらいました。モデルのデータはすでに完成していたのですが、作っていく過程で説明書をスキャナで読み込んで画像として取り込み、画像の線をなぞりながらパーツを作っていく場面も多々あったそうで、そんな時にペンタブがあればより線の描画もスムーズにいったのではないかとデータを見つつ考えていました。

この3Dデータを見たことで、話題はプラモデルの作り方から、金型の作り方へ移り、3Dプリンタ以外での立体造形物の作り方、そして最終的にどういう方法で物を作るかによって、3Dモデルの作り方も変えていくべきという話にまで膨らみました。

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今回も、濃い内容の会になりました。参加いただいた皆さんと、協力いただいた株式会社Wacom様ありがとうございました。
次回の定例犀も日程決まり次第、当ブログやFabLab SENDAI の FacebookページTwitterなどで告知する予定ですので、チェックよろしくお願いします!