こんにちは、スタッフ小野寺です!昨日、いつもお世話になっている株式会社 郷自然工房の佐藤さんにお越しいただき、現在企画中の漆塗り体験の打ち合わせを行ないました。
漆塗りというと、お椀や箸などに施された艶のある質感を想像される方が多いかもしれません。ですが、艶のある仕上げ方はひとつの技法にすぎず、用途によって様々な表情を持たせることが可能です。その中でも今回は、木材の表面に漆を擦り込むように浸透させていく“拭き漆”という技法にフォーカスしていきます。
こちらが“拭き漆”で使用する道具達です!写真上の容器に入っている漆を、右の2本のヘラで調合し左のお皿に擦り込んでいきます。漆によるかぶれだけでなく、お皿に手の油分が付着し漆のノリが悪くなるのを防ぐために、ゴム手袋をつけて作業を行ないます。
ただ漆を擦り込んでも面白くないということで、まずはお皿にレーザカッターで彫刻加工を行ないました。どんな仕上がりになるか楽しみですね!
はじめに“生漆(きうるし)”と言われる、顔料の入っていない飴色の漆で試作を行ないました。漆を適量作業板の上にとり、ヘラを使って溶剤と調合していきます。普段滅多に見ることのでできない、漆職人さんの手さばきにスタッフも興味津々です。
和紙で漆をとり、お皿の表面に一気に擦り込んでいきます。漆が付着した部分はとても滑りやすいので、注意して作業を進めていく必要があります。
裏面にも漆を擦り込み、綺麗な和紙でお皿表面の漆を拭き取って作業完了です。このときに拭き残しがあると、仕上がりに艶のムラができてしまうそうです。漆を擦り込む前と比べて、木目がかなりはっきり出ていますね。
“生漆”に鉄粉などを加えることで色がつくられた、“黒漆”でも試作を行ないました。
こちらも先程と同様に、表面の漆を拭き取っていきます。“生漆”とは全く印象の異なる仕上がりとなりました。今回試作していただいたお皿は、どちらも漆を硬化させた後、また何度か“拭き漆”作業を行なっていきます。
ちなみに、こちらの写真の上段が“拭き漆”作業をしたもの、下段がしていないものです。 この“拭き漆”作業を何度か繰り返していくことで、お皿の色艶、強度が増していくそうです。更に、使っていくうちに色がどんどん明るくなっていくので、経年変化も楽しむことができます。
この“拭き漆”体験は、1回目の実施を9月に予定しています。
現在、実施内容を鋭意検討中ですので、どうぞお楽しみに(^o^)!