こんにちは、スタッフ小野寺です!

 

FabLab仙台では昨年より、漆デザイナーであり宮城大学デザイン情報学科にてご指導されている土岐謙次さんと、市内に工房を構える株式会社 郷自然工房 佐藤さんが取り組まれている、“漆”とデジタル工作機器を用いた商品開発やワークショップのお手伝いをさせていただいています。

例えば、寒冷紗という布を漆で塗り固めるという伝統技法によって作られている“乾漆(かんしつ)シート”を使用し、コースターやiPhoneパネル、こけしブローチをつくるワークショップを行なってきました。

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また、レーザーカッターの機能のひとつである彫刻加工を利用し、“沈金”という伝統技法を用いたオリジナルグッズ制作ワークショップも実施しました。こちらは、ユーザーさんご自身で図柄のデザインから金箔での加工まで行なって頂き、漆という素材との触れ合いだけでなく、伝統技法も体験していただくというワークショップでした。

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他にも、今年5月に開催されたMaker Faire:Taipei 2014では、スタッフも一部制作をした乾漆グッズを展示しました。こちらは現在ラボ内に展示していますので、よろしければぜひお手に取ってご覧ください!

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商品開発としては、“漆タイル”の制作をお手伝いさせて頂いています。昨年末に竣工したこちらの個人宅の浴室脱衣場では、デザイン:土岐謙次さん(Kenji Toki Studio、 宮城大学)、制作:株式会社 郷自然工房、建築設計・監理:早川建築研究所(Kinya Hayakawa)という皆様に加えて、FabLab仙台もレーザーカッターでの彫刻加工を協力させていただきました。(撮影:早川欣哉)

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漆タイルは、MDF(中密度繊維板)表面を漆塗りで仕上げたものです。 さらに、レーザー加工機を使用し漆表面に模様を彫刻し、さらに漆を塗り重ねることで、豊かな表情を生み出しています。もちろん耐水性は申し分なく、湿度の高い浴室などの水廻りにも好適です。更に、一般的な陶器製のタイルに比べて、漆タイルはMDFを使用しているため実に軽く、剥落にも強く割れにくいのも特徴です。また、仕上がり精度が高いので施工時に目地が不要となり、短時間で確実な施工が可能です。

タイルの加工だけでなく、見本用パッケージのデザインと制作も担当させて頂いています。 こちらもラボ内にサンプルを展示していますのでぜひご覧下さいね!

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また、土岐さんが参加されたHASEKURA 2.0PROGRAMの一環として現在バルセロナで開催中の「東北への道:自然・伝統・イノベーション」展において漆のタイルが展示されています。こちらでは被災地を中心に、東北の様々なプロダクトが紹介されていました。

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今後も“漆”はもちろんのこと、ローカルな素材や伝統技術をベースに、デジタル工作機器を使った新たなプロダクトや技術の開発を行なっていきたいと考えています。そしてこれは、FabLab仙台のスタッフだけではなく、ぜひメンバーのみなさんにも開発に参加して頂けるよう、開かれたプロジェクトとして進めていく予定です。プロジェクトの進捗状況は随時ブログやFacebook等で公開していきますので、ご興味をお持ちの方はぜひご参加くださいね!