工芸リデザインプロジェクト「Can I Say 手工業?」

sponge 工藤拓也さんとともに、「Can I Say 手工業?」というプロジェクト名のもと、首振りフィギュアを制作しました。本作は、日本の郷土玩具である赤べこから着想を得て、現代的なカルチャーと手工業の接点を探る試みです。

ベースとなる造形は、3DCADソフト「Rhinoceros」を用いてモデリング。有機的なフォルム生成を可能にする「SubD」機能を活用し、丸みや量感を丁寧に設計しました。出力時の安定性やポーズのバリエーションを考慮し、足や腕などを含む9つのブロックに分割して3Dプリント。各パーツを接着し、立体として組み上げています。

組み立て後は、表面の精度を高めるための手仕事の工程へ。量産を可能にするデジタル技術を基盤としながらも、最終的な質感を決定づけるのは人の手による仕上げです。今回は“民芸”の風合いを大切にするため、あえて表面にわずかな凹凸を残し、素材感が感じられる仕上がりを目指しました。着色はアクリル絵の具で行い、HIPHOPグループのライブ会場で高揚する観客の姿をイメージして彩色しています。最後に頭部と本体を糸でつなぎ、首振りの構造を完成させました。

フィギュアは観客だけでなく、グループメンバーも制作。メンバーはやや大きめのスケールとし、存在感を際立たせています。さらに、世界観をより明確に伝えるため、ステージやDJブース、ロゴ、チラシ、販売用パッケージなどの関連ツールもあわせて制作しました。

デジタルファブリケーションと手工業の往復から生まれた本作は、量産と一点性、テクノロジーと民芸性のあいだを横断するプロジェクトとなっています。