こんにちは、スタッフ小野寺です!

FabLab SENDAIの3Dプリンタは、PLAと呼ばれる樹脂を熱で溶かしてノズルから押し出し、ソフトクリームのように積み重ねて造形物を作ります。完成した造形物の表面は、樹脂の積層跡により縞模様のようなテクスチャになっているため、塗装をする場合には綺麗にやすりがけをしないかぎり、どうしても凹凸が目立ってしまいます。

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(左:スプレー塗装のみ/右:サーフェイサーを2回塗布後にスプレー塗装したもの)

 

そこで、造形物をそのままやすりがけするのではなく、パテ埋めのように何かで凹凸をなくしてからやすりがけをすれば、少しは手間が省けるのではないかと考え、モデリングペーストを使用した塗装の実験をしてみました!

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モデリングペーストとは、“大理石の粉末とアクリルエマルジョンからできた、粘りの強いパテ状の白色下地剤”で、アクリル絵の具などと混ぜて使用することで絵画作品に立体感を持たせることのできる液剤です。
(引用元:http://liquitex.jp/products/medium_varnish_texture_gel/

今回は実験結果の中から、オススメの技法2種をご紹介します!(その他の実験結果は全てラボでご覧いただけます。)

 


 

1. モデリングペースト + スプレー塗装

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〈作業内容〉
(1) モデリングペーストを1mm程度塗布 × 2回
(2) 400番のペーパーで表面をやすりがけ
(3) 水性スプレーで色付け × 1回

モデリングペーストは、厚塗りをしてしまうと表面にヒビが入ることがあるので、なるべく薄く塗り重ねていくことがポイントです。また、硬化してしまえば簡単にやすりがけで形を整えることが可能なので、表面を綺麗に仕上げることよりも、とにかく積層の段差を埋めることに専念するのも綺麗に仕上げるコツです。

 

2. モデリングペースト + アクリル絵の具 + ラッカー(マット)

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〈作業内容〉
(1) モデリングペーストとアクリル絵の具を6:1の割合で混合
(2) (1)で作った液を1mm程度塗布 × 2回
(2) 400番のペーパーで表面をやすりがけ
(3) ラッカー(マット)吹き付け × 2回

モデリングペーストはそのままだと乾燥が早く、作業に支障をきたす場合があるので、あらかじめ塗装に使用したい色のアクリル絵の具を混ぜておくのも一つの手です。こうすることで伸びがよくなり、乾燥のスピードもやや遅くなります。(水を混ぜてモデリングペーストを薄めることもできますが、そうすると造形物の段差を埋めにくくなるので注意が必要です。)
また、モデリングペーストを塗った後にラッカーを吹き付けることで、爪で引っ掻いた程度では剥がれないくらい塗装の強度が増します。今回はマットタイプのラッカーを使用しましたが、グロスタイプのものでも問題ありません。


 

モデリングペーストは水溶性のため、水分の多い場所(水に浸すなど)での使用には向きませんが、簡単に表面を仕上げられるという点ではなかなか面白い方法なのではないかなと思います。モデリングペーストを塗布してしまえばアクリル絵の具での塗装も簡単にできるようになるので、3Dプリントした造形物を使用して立体塗り絵なんかも楽しむことができるかもしれません。

ラボにテスト用のモデリングペーストの在庫が少しだけありますので、ご興味のある方はぜひチャレンジしてみたくださいね!