5月からスローペースで更新してきたFabAcademy受講レポートですが、やっと終わりが見えてきました!

– 【小野寺のファブアカデ道/Week01〜03】デジタルファブリケーションの基礎をもう一度

– 【小野寺のファブアカデ道/Week04〜06】はじめての回路設計は山あり谷あり

− 【小野寺のファブアカデ道/Week07〜10】漆と回路と不思議マシン

− 【小野寺のファブアカデ道/Week11〜14】飴と鞭の4週間


 

レクチャーフェーズの最後の1ヶ月では、ものをつくることだけではなく、最終課題の計画やシェアの方法などについても学び、考えをまとめていきます。

− Week15: networking and communications (May 11)
− Week16: interface and application programming (May 18)
− Week17: applications and implications (May 25)
− Week18: invention, intellectual property, and income (Jun 1)

 

 

【Week15: NETWORKING AND COMMUNICATIONS】

Week15の課題は、2つのデバイスをつないで連携させるというもの。今回は、1対1だけではなく、1対多数での通信も可能なI2C通信にチャレンジすることにしました。

 

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I2C通信には、マスターとスレーブという2種類のデバイスが必要なので、まずはそれぞれ回路を設計します。

 

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マスター基板は1つ、スレイブ基板は2つ制作。ここまでくると設計もはんだづけも慣れたものです。

 

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FabISPでマスターとスレイブそれぞれにプログラムを読み込ませていざ実行!
…したものの、うんともすんとも言いません。その代わりに、点灯するはずのないLEDがずっと光り輝いており、完全に失敗です。基板自体に一部ミスが見つかったので作り直してみましたが、それでもまったく動かず。加えて、I2Cではない、もうひとつの通信方法のものもつくってみましたがそちらもアウト。完全に意気消沈です…

 

 

【Week16: INTERFACE AND APPLICATION PROGRAMMING】

Week16では、インプットもしくはアウトプットの課題でつくったデバイスと連動したアプリケーションをつくるという課題が出されました。
私は、圧力センサーをのせたインプットデバイスを使用し、Processingでアプリケーションを作成することに。

プログラミングはまったくの初心者なので、まずはファブラボ北加賀屋の白石さんのコードを元に実験をしてみました。センサーを押すと円のサイズと色が変化するというなんてことのないプログラムですが、自分のつくったものが動くのはやっぱり感動します。

 

ここから少しプログラムをいじってみることにしました。最終目標は、指でセンサーを押したときに「パチッ」と音がなるデバイス。
オープンになっている様々なコードを組み合わせ、数値などを少しずつ変えながら、理想のプログラムに近づけていきます。

最終的にできたものがこちら。センサーがある数値以下を読み込んだときに、「パチッ」という音がなり、ウィンドウ内の色が変わります。うーんなんとも言えない仕上がりです…
というか、これはONOFFの入力さえできれば良いので、圧力センサーよりもタクトスイッチのほうが向いていたよな、とここまできて気がつきました。何事もやってみないと気づけないことばかりですね。

 

 

【Week17: APPLICATIONS AND IMPLICATIONS】

Week17の課題は『ファイナルプロジェクトの提案書を書く』というもの。
何をつくるのかということだけではなく、その背景や使用する部品類、コストについてまとめていきます。

私のファイナルプロジェクトのテーマは、「工芸職人さんのテクニックを継承するためのモジュール」。色々考えた結果、和紙を漉く際に使用する“簀(す)”という道具をつくるためのマシンを作ることにしました。

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“簀(す)”は、1mm程度の細い竹やすすきなどを、絹糸や馬の尻尾で編んでつくられています。右の写真のような道具で作られることがほとんどです。

 

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実際に紙を漉いた際に、紙にうっすらと糸目が模様としてはいるので、“簀”の糸は綺麗に整っていることが重要です。そこで、普通は真っ直ぐと編まれているこの糸を、自分で好きなようにデザインし、かつ編むことができたら、和紙づくりの可能性はもっと広がるのではないかと考えました。

 

 

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今年はじめに制作した“簀編み具”をベースに、作品づくりを進めていくことに決定。ここから何が必要かをリストアップし、基板の制作や本体の設計、コーディングなどを行なっていきます。

 

 

【Week18: INVENTION, INTELLECTUAL PROPERTY, AND INCOME】

Week18ではファイナルプロジェクトのプランをより細かく詰めていきます。加えて、そのライセンスやシェアの方法についても自分の考えをまとめなければいけません。

ものを作ることに直接関わってくるわけではありませんが、データをオープンにする以上、その著作権についてはきちんと考慮しておく必要があります。その中で私は、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスのうち、『CC BY-NC-SA 4.0』を表記することに。
クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは、インターネット時代のための新しい著作権ルールで、作品を公開する作者が「この条件を守れば私の作品を自由に使って構いません。」という意思表示をするためのツールです。CCライセンス(クリエイティブコモンズライセンス)を利用することで、作者は著作権を保持したまま作品を自由に流通させることができ、受け手はライセンス条件の範囲内で再配布やリミックスなどをすることができるというもの。クレジット表示や改変などの4つの条件が組み合わされたライセンスの中から、自分の作品の流通方法に合わせて適切なものを選択します。

私が選択した『CC BY-NC-SA 4.0』は、クレジットを表示し、かつ非営利目的であれば、元の作品を自由に複製したり再配布してよいというライセンス。ただし、改変を行なった場合には、同じ『CC BY-NC-SA 4.0』ライセンスの下にデータを頒布しなければいけません。

多くの方の手に渡らせるためには、そのためのパッケージをきちんと整えること。普段はあまり後回しにしがちですが、ものを作ってシェアをする上で非常に重要なポイントについて、改めて勉強しなおす必要があるなと痛感しました。


 

なんとかファイナルプロジェクトの大枠が見えてきたので、あとは設計&制作するのみ!果たしてどんな作品ができあがるのでしょうか!