この記事は、FabLab SENDAI – FLATユーザーの氏家 淳さんに執筆していただきました!

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OpenPressによるアクリル版画〈中編〉
OpenPressによるアクリル版画〈後編〉


はじめに

3Dプリンタで作れるプレス機がFLATに置いてあり、それを使って版画をしてみた。
せっかくなのでレーザー加工機でアクリルを彫って版を作り、うまく刷れるか実験。

 

<1>Press機の改良 

1. どういうもの?
OpenPressプロジェクトという、昔の印刷所にあったようなプレス機の縮小版を
3Dプリンタで誰でもたやすく作れるデータを公開してくれているサイト(*1)があり、
多くの人が自分で作ったプレス機やそれを使って印刷したものの写真を投稿している。
エッチング版画のカードが結構きれいに印刷されていた。
(*1:https://openpressproject.com/ 非商用であればコピー、共有、改変が可能)

 

2. いじってみた感じ

そのプレス機は手のひらにのるぐらいの大きさで、
台とハンドルのついたローラーで紙をはさみこんでハンドルを回して紙を送る仕組み。
プレスの強さは両側のねじを締めこんで調整する。
このねじが結構固く六角ボルトの頭をつまんで回すのに力が要り、指が痛くなる。
そこで、ねじを回しやすくするつまみを3Dプリンタで作成することにした。
さらにローラーおさえとねじの間に削れ防止のねじ受けもつけることにした。

 

3. 追加部品の制作

a. つまみ部品
つまみが軽い力で回しやすい大きさと形、
さらにどのくらい締めこんだのか目安になるように上に目盛をつけておく。
参考となったのは工具のドライバーの握りの大きさと形。
六角ボルトの頭をしっかり保持する必要があるので、上下2分割で作っておいてはめ合わせる構造にした。

b. ねじ受け部品
こちらは、ねじにかぶせるキャップの小さな形。
最初作ってみた部品が大きく自己主張が強かったので形を見直した。

c. 制作
Fujsion360でそれぞれの部品の3Dデータを作成して、3Dプリンタで出力した。
力のかかる部品でもあるので、infillの設定を多めにした。
2分割のつまみ部品をはめ合わせたら、きつくてなかなかはまらず表面を削って合わせるのに苦労した。
※使用機材 Makerbot Replicator2

 

Handle-A================================

Handle-B ================================

 

Screw-support===========================

======================================

 

d. 使ってみて
ねじが軽く回せるようになって便利。素早く回せるので繰り返しプレスするときにありがたい。
ただし、プレスの加減については手の感触で調整するのがほとんどで、せっかくつけた目盛は出番がなかった。

 


 

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