今年の冬からスタッフ小野寺が受講していたFabAcademyのレポートも、いよいよ終盤に差し掛かってきました!
– 【小野寺のファブアカデ道/Week01〜03】デジタルファブリケーションの基礎をもう一度
– 【小野寺のファブアカデ道/Week04〜06】はじめての回路設計は山あり谷あり
− 【小野寺のファブアカデ道/Week07〜10】漆と回路と不思議マシン
これまでは、基本的なデジタルファブリケーションマシンの活用方法や回路設計について学んできました。
そしてWeek11からは、インプットデバイスの設計や、切削して制作した型を使ったキャスティングなど、ワンランク上の技法を習得していきます。
− Week11: input devices (Apr 13)
− Week12: molding and casting (Apr 20)
− Week13: output devices (Apr 27)
− Week14: composites (May 4)
Week11の課題は、外部からの入力を受けて反応をするデバイスを作ること。基板には、モーションセンサーや磁気センサーなどといった何かしらのセンサーを乗せなければいけません。
私が選んだのは圧力センサー。このセンサーを選択したのは、歯で噛む力を利用して、なにかをコントロールできるデバイスを作りたいと考えていたからです。
回路設計の課題では基本的にサンプルの回路が用意されているので、それを元に各自設計をしなおしてオリジナルの基板を制作します。ただ、今回私が選択した圧力センサーはサンプルが無かったため、温度センサーのものを参考に設計をすることに。
完成した基板にはいつもどおりマッキーで着色。もはやこうしないと落ち着きません。
パソコンにつないで実際に操作した様子がこちら。温度センサのプログラムをしようしているので、少し圧力を加えただけでかなりの変化が見られます。
実際に手にしたものとパソコンの中身が連動するのはなかなかの感動モノです。
Week12では、ミリングマシンでワックスを削って型をつくり、それを使ってシリコーンのキャスティングにチャレンジ。
3DCADでモデリングし、ミリングマシンで切削!
そこにシリコーンを流し込んで…
完全に硬化したら完成です!
更に今回は、この型を使った錫(すず)と氷のキャスティングにもチャレンジ。なかなか難しい形状のため、錫のほうは気泡が入ってしまいました。氷のほうは、食品用シリコンの型を使用しているので、おつまみなどをのせても良さそうですね。
どんな素材でキャスティングをするかによって、同じ形状でも全く使い道の異なるものが生まれてくるのがとても面白いです!
Week13では、Week11とは真逆のアウトプット用のデバイスを制作しました。
インプットデバイスと組み合わせて、噛んで音量や音程をコントロールしたいと思い、アウトプット用にスピーカーを選択。
いつもどおり基板を切削し、パーツをはんだづけし、プログラムを書き込んでデバイスは完成!
したものの、なぜかスピーカーから流れる音量が非常に小さいというトラブルが…。再度作り直したものの、まったく同じ症状が発生。解決できないまま、とりあえず課題はクリアしているということで、Week13は終了。
後々、他の受講生のドキュメンテーションを見てみると、この症状の解決方法を見つけ出している受講生が。ひとりでは解決できないことも、たくさんの人の知恵を合わせることでクリアできるのだということを、身をもって実感した週でした。
Week14の課題はコンポジット!3D形状の型に、樹脂を染み込ませた繊維を積層し、型取りをするというもの。
今回は、フェルトでベネチアンマスクをつくることにしました。
まずは3DCADでモデリングをし、
3Dプリントをして、バキュームフォーミングで型を作ります。
そこに、レーザーカットしたフェルトにレジンを染み込ませたものを積層していき…
完全に硬化したら完成!
フェルトの重ね合わせがこんなにうまくいくと思わなかったので感動しました。次は漆や和紙といった他の素材でもチャレンジしてみたいところです。
今回は苦手な回路設計と、とても好きな造形の課題が交互にあり、まさに飴と鞭といった週でした。
そしていよいよ残すところ4週間となり、最終課題の制作にも徐々に焦りが…。まだ方向性がはっきりしておらず、なにも決まっていない状態です。いったいどうなることやら!