こんにちは、スタッフ小野寺です!

手すき和紙工房 潮紙さんとのプロジェクトの一環として、昨年12月に計4回の紙漉き実習を行ないました。
(これまでの様子はこちら→第1回:トロロアオイの仕込み編/第2回:紙漉き編/第3回:圧搾〜板干編/第4回:完成編

 

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紙漉き作業の実習は年内で一度終了し、ここからは和紙の原料となる楮(こうぞ)の処理作業のお手伝いをさせていただきます。

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和紙づくりには、 およそ上記のような工程があります。紙漉き作業そのものは工程のほんの一部でしかなく、楮の処理作業に多くの時間が費やされます。潮紙さんのある宮城県の川崎町笹谷は、冬場は冷え込みが激しく、積雪も大変多い地域です。そのため、紙漉き用の道具や水が凍ってしまうことが多々あるので、1〜3月頃までは紙漉き作業はほとんど行なわれません。なので、この紙漉き休業期間中は原料の仕込みがメインの作業となるのだそうです。

 

今回の実習では、楮蒸かし〜黒皮むきのお手伝いをさせていただきました。

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まずは、刈り取った楮を鍋でだいたい2時間程度蒸かします。今回の楮は55cm程の長さにカットされていました。楮は、作業のしやすさを考慮して、腕の長さを基準にしてカットするそうです。楮が蒸されてくると、部屋中に焼き芋のような甘い匂いが広がっていきます。

 

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楮が蒸しあがったら鍋から容器に移し替え、冷水をかけて熱をとります。

 

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楮がきちんと蒸されたかどうかは、切り口で確認することができます。こんなふうに、外皮が縮んで中の芯が見えていればOKだそうです。

 

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蒸された楮は、すぐに外皮をむいていきます。まずは根元に近い部分を手で握り、楮をひねります。そうすると外皮が芯からはがれて裂けるので、指でつまんでまとめます。

 

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あとは芯と外皮の間に指を挟み込んでスライドさせながら…

 

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一気に皮をむいていきます!これが想像以上にスルッと気持ちよくはがれるんです。このとき、根元から先方向にむくと、途中で皮が裂けることがなく綺麗に仕上がります。

 

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左は剥がした皮の内側部分、右は外側部分です。楮の皮は、“白皮”、“甘皮”、“黒皮”の三層で構成されています。和紙づくりでは主に“白皮”を使用するので、ここから余計な皮をはがす、黒皮むき作業をを行ないます。

 

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この黒皮むきが和紙づくりの要であり、一番根気が必要な作業です。白皮が裂けないように、力をコントロールしながら慎重に黒皮をこそげていきます。

 

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だいたいこのくらいの白さになるまで皮をむいていきます。この状態になった白皮3枚で、やっとハガキ約1枚を作ることができるそうです…!

 

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白皮は腐らないように乾かしておき、次の煮熟という工程に備えます。ここまでの作業でやっと和紙づくりの3合目です。紙漉きへの道のりはまだまだ長いですね…

 

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今回行なった黒皮むきですが、作業が必要な皮がまだこんなにたくさんあります。

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あまりにすごい量だったので、思わず「FabLab SENDAIでもぜひこの皮むきをお手伝いさせてください!」と職人の塚原さんにお伝えしたところ、なんとOKとののお返事をいただくことができました!

そこで、2月初旬頃にラボで皮むき体験を実施したいと思います。もちろん、先日開始した『ちりつもポイント』も貯められるようにする予定です。実施日程などはFabLab SENDAIのFacebookページで告知予定ですので、ご興味のある方はぜひご参加くださいね〜(^o^)/