こんにちは、スタッフ小野寺です!

先日からお世話になっている、手すき和紙工房 潮紙さんでの紙漉実習レポートです。

(第1回:https://fablabsendai-flat.com/ushiogami_14121112//第2回:https://fablabsendai-flat.com/ushiogami_14121112_2/

 

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前回までの実習では、トロロアオイの仕込み、紙漉き道具の準備、漉き作業を行ないましたが、完成まではまだいくつか工程が残っています。

漉いたばかりの紙には大量の水が含まれているため、そのままではとても破れやすく、また乾燥にも時間がかかります。そこで、まずは重なった状態のまま徐々に水を抜いていく圧搾という作業を行ないます。(塚原さんの漉いた紙を使って作業の様子をご説明頂きました。)

 

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まずは漉いた紙の上にフェルトを重ね、圧搾機の上にセットします。

 

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そうしたら、紙の上に板を置いて徐々に力をかけていきます。このときに、一気に力を加えてしまうと紙が広がってしまうため、じっくり作業に取り組む必要があります。その後、板の上から10tジャッキを使って30分毎に、およそ1日かけて圧力を加えながら水を抜いていきます。

 

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圧搾機にかけて水を抜いた紙はギュッと硬くひとかたまりになっていますが、トロロアオイのおかげで紙同士がくっついてしまうことはありません。

 

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次に、紙を板に貼付けて乾かす板干し作業に入ります。まずは迎え水といって、圧搾した紙全体にまんべんなく水を行き渡らせます。せっかく水を抜いたところに再度水をかけることになるのですが、こうすることで紙からトロロアオイの成分が抜けて紙がはがしやすくなるのだそうです。

 

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迎え水をかけた後、半日〜1日置いて水をなじませます。その後、紙をはがしやすくするために、あらかじめ紙の側面をブラシで撫でるように毛羽立たせておきます。

 

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刷毛を使って、紙を持ち上げるように剥がしていきます。このときになるべく紙を垂直に保ったまま刷毛を動かしていくのがコツだそうです。

 

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そして、そのまま刷毛を使って紙を板に貼付けます。このときに刷毛で横に撫でていくことでできる『刷毛目』が手漉き和紙か機械漉き和紙かを見分けるひとつのポイントになります。

 

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産地や工房によっては、乾燥機を使って紙を乾かすことも多いのですが、板に貼付けてじっくり乾燥させることで、繊維に対して40%ほどの水分が残るため、大変持ちが良く、丈夫な紙に仕上がるのだそうです。

 

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乾燥が完了したらいよいよ紙の完成です!いったいどんな紙が仕上がったのか、次回の記事でご紹介しますのでお楽しみに!(^o^)/