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2017.5.13

特別レクチャー@宮城大学『手漉き和紙と、レーザーカッターを用いた拓本の制作』

こんにちは、スタッフ小野寺です!

4月17日, 22日の2日間、宮城大学 デザイン情報学科さんにて特別レクチャーをさせていただきました。
3年目となる本レクチャーでは、今回も宮城県川崎町の潮紙 塚原さんが手漉き和紙づくりを、FLAT 小野寺がレーザーカッターを用いた拓本制作及び染めについて指導を担当。計10時間弱と非常にボリュームのある内容でしたが、学生のみなさんはとても集中して取り組んでくださり、また今年も新しい表現が多数生まれました。

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拓本染めとは?
宮城県白石市で製造されていた「白石和紙」を用いた加工技法のひとつ。
凹凸のある版木にこんにゃく糊を染み込ませた和紙を密着させ、凸部分にタンポで色をのせていく。
拓本染めの簡単な手順についてはこちらをご覧ください。▼
http://fabble.cc/fablabsendai/crdpj-02

 


 

本レクチャーでは、彫刻刀ではなくレーザーカッターを用いて版木を制作。これまで取り組まれてきた工芸技法に「デジタルファブリケーション」を組み合わせることで、手作業では困難だった新たな表現を生み出したり、多くの方が工芸に触れやすくなるよう技法そのもののハードルを下げられないかということが背景にあります。

 

mono_00

例えばレーザーカッターで左のような黄色いラインで板材をカットした場合、右のように2つのパーツを得ることができます。このように、ひとつの図柄からネガとポジ2種類のパーツを取り出すことができるというのが、レーザーカッターを用いた加工の面白さのひとつです。

そこで今回のレクチャーでは、その面白みを活かしたパターンの制作に取り組みました。

 

 

学生のみなさんには、レクチャー1日目と2日目の間にパターンをデザインしていただき、2日目はレーザーカッターでパーツをカット!画面上では線の太さが充分そうに見えていても、いざカットしてみるとあまりに細すぎる…などと、何度も試行錯誤する学生さんも。

 

 

カットしたパーツは、ひとつひとつ手作業で貼り付けていきます。デジタルファブリケーションを用いたからといって、全てがデジタルで完結するわけではなく、やはり人の手が必要です。

 

 

版木が完成したら、いよいよ染めの作業!
こんにゃく糊をしっかり染み込ませた和紙を版木にのせ、ブラシで叩いて密着させていきます。このときにかなり強い力で叩くのですが、和紙は繊維が長いためほとんど破れることはありません。

 

 

和紙が版木にしっかり密着したら、絵の具を付けたタンポで優しくポンポン叩いて着色。自分でどんなパターンをデザインしたのかを分かっていながらも、色がのると「わぁー!」と歓声があがります。

 

 


 

着色が完了したら風に当てて乾かします。本来の拓本染めでは、乾燥後に再びこんにゃく糊を塗って紙の強度を上げますが、今回はここで時間切れ。これはまだひとつの素材が完成したにすぎないので、ここからぜひ何かしらのかたちに落とし込んでもらえたらなと期待しています。

 

今回は、他の学生さんの版木と組み合わせたパターンで染める学生さんや、「もう少し柄を細かくすれば良かった!」と再度版木制作に取り掛かる学生さんも多く、例年以上に“遊びながら試行錯誤している”といった様子でした。新しい技術と昔ながらの技術、デジタルとアナログ、それぞれをいくつも組み合わせることで、ものづくりの幅が格段に広がるという面白さを少しでも感じてもらえたのかなと思います。

宮城大学のみなさん、ありがとうございました!

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