こんにちは、スタッフ小野寺です!
現在私は、今年の1月から毎週水曜日に開講されているFabAcademyを受講しています。

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FabAcademyとは、MIT(マサチューセッツ工科大学)のニール・ガーシェンフェルド教授による(ほぼ)あらゆるものをつくるためのオンライン講義です。毎年世界各国のファブラボから200名程度の学生が参加し、3Dモデリングから回路設計、プログラミング、機構設計など、モノを作るためのあらゆる技法を学びます。
毎週水曜日には、前半90分で前週の課題発表、後半90分でその週の講義が行なわれます。課題発表では、世界中の学生が前週から取り組んできた内容について英語で説明。 課題の製作は世界各国にあるファブラボで行われ、レーザーカッター、3Dプリンタなどのデジタル工作機械を利用して行ない、その製作プロセスについては各自のWEBサイトにドキュメントまとめるというのも重要なポイントです。 最終課題は、自分のアイディアを基に、半年を通して学んだ技術を総合的に組みあわせ、世の中にないプロトタイプの設計・製作を(ほぼ)一人で挑み、最終プレゼンテーションを行ないます。

▼講義のスケジュールは以下のリンク先で見ることができます。▼
Schedule:http://archive.fabacademy.org/archives/2016/master/schedule.html

様々な課題を1週間でこなしていくというなかなかハードなFabAcademyですが、これまでにどんなことを行なってきたのか、今回はWeek01〜03までの課題について紹介しますね!


 

Week01〜03の講義内容は以下のとおり。デジタルファブリケーションに関する概要説明やデータ作成ソフトの使用方法、コンピュータ制御による素材加工などといったものづくりの基礎的な内容がメインでした。
– Week01: principles and practices, project management (Jan 27)
– Week02: computer-aided design (Feb 3)
– Week03: computer-controlled cutting (Feb 10)

 

【Week01:PRINCIPLES AND PRACTICES, PROJECT MANAGEMENT】

Week01の課題は、FabAcademy受講中のドキュメントをまとめるためのWEBサイト作成とファイナルプロジェクトのアイディア出し。

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WEBサイトの作成にはテンプレートを使用しても良かったのですが、せっかくなのでhtmlとcssをいじってみました。
試行錯誤しながらなんとかかたちにしたものの、「バージョン管理にgitを使う」とのこと。バージョン管理??git???
調べてみると、gitとはソースコードを管理するためのシステムで、ファイルを任意の状態で更新履歴として保存しておくことが可能なようです。なので、“一度編集したファイルを過去の状態に戻したり、編集箇所の差分を表示したりする”ことができるそう。なるほど〜。

 

WEBサイトをつくったところで、次はファイナルプロジェクトのアイディア出しです。

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FabLab SENDAIでは、これまで伝統工芸や素材を軸として色々なプロジェクトに取り組んできたので、ファイナルプロジェクトでもその一環としてなにか作りたいなと考えていました。Week01の段階でのアイディアは、職人さんの手業や動作を継承するためのモジュールです。例えば、紙漉き職人さんの動きを記録し、それを取り付けた紙漉き道具で職人さんと同じ動作をすると、音が鳴ったり光ったりするというもの。言葉では表しにくい体の動きをなんとかして伝えることができないかなと考えたことが背景にあります。この段階ではまだどんな形状で、どんな仕組みが必要か見えていませんが、半年の間になんとかかたちにしなければいけません。どうなることやら!

 

【Week02: COMPUTER-AIDED DESIGN】

Week2では、2D・3Dソフトを使ったファイナルプロジェクトのスケッチが課題でした。

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Adobe PhotoshopとIllusratorで2Dスケッチを、Rhinocerosで3Dスケッチを行ないました。いつも使用しているソフトウェアにしかチャレンジできていないのが個人的に心残りです…。講義ではこんなにたくさんのソフトが紹介されていました。
ただ、Photoshopのスケッチでは初めてペンタブを使用してみました。Astropadというアプリを使ったのですが、USB接続もできてタイムラグも少なく、動きの調子がなかなかよかったので今後もモデリング時に使っていきたいなと思っています。

 

【Week03: COMPUTER-CONTROLLED CUTTING】

Week3では、いよいよマシンを使ったものづくりが始まりました。ビニールカッター(カッティングマシン)を使った素材のカットと、糊を使わずにものを組み立てる“Press-fit Construction”キットのデザイン・制作が課題です。

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糊を使わずに組み立てるということで、まずはパーツ同士がきっちり噛み合うための数値の割り出しを行ないました。とても面倒ではありますが、この作業をするのとしないのでは組み立てのしやすさや仕上がりのクオリティが大きく変わってきます。

 

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“Press-fit Construction”キット制作の課題では、過去に制作したWheel Stool!!!の脚部分に使用したオムニホイールのようなものをリデザインしました。以前までのものは、左右のホイールが別々に動いてしまっていたので、12.5度ずつずらしてきちんと固定できるように改善。今回ももちろん糊は一切使用していません。

 

こんな感じでしっかり回ります。今回の組み立て時間は1人で3時間程度だったので、以前よりもだいぶスピードがあがりました!

 

そして、ビニールカッターを使った素材加工の課題ではペーパーオーナメントを制作。

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サイズや素材を変えてつくってみても面白そうです!(FabAcademyとは直接関係ありませんが、せっかく可愛くできたので、後日このオーナメントづくりのワークショップを2度開催しました。)

 


 

Week03からは実際にものをつくるフェーズに入り、世界各国からの受講者の様々な作品を見ること楽しみのひとつになってきました。人が違うと作品が異なるのはもちろん、そのプロセスも千差万別で非常に勉強になります。

次回はWeek04〜06についてご紹介します!