FabLab SENDAI – FLATで新たに利用可能となった光造形式3Dプリンタ『Form2』。
今回は、どのようなプリントができてなにが苦手なのかなどをご紹介します。
(Form2の利用方法はこちら:http://fablabsendai-flat.com/2019/08/21/form2/


1. 熱溶解積層法(FDM)との違い

〈左:光造形式3Dプリンタ「Form2」で作成したもの/右:熱溶解積層式3Dプリンタ「Replicator2」で作成したもの〉

これまでFabLab SENDAI – FLATで運用してきた3Dプリンタは、樹脂を熱で溶かして積層する「熱溶解積層法(FDM)」というタイプのもの。樹脂は0.4mm径のノズルから絞り出され、かつ0.1〜0.3mmずつしか積層できないため、仕上がった造形物の表面にはでこぼことした積層痕が発生してしまいます。また、樹脂に熱を加えて溶かし、冷やして硬化させるという製造法のため、熱収縮などによりデータと実物との間には0.2mm程度の誤差が発生してしまうことも。(現在はその誤差を発生させない機種も多くあります。)

これに対し「光造形式(SLA)」3Dプリンタは、液状のレジン(材料)にUV光を当てて造形物を作成するので、非常に細かなプリントをすることが可能です。(壁の厚さは0.4mm程度、凸部分であれば0.1mm程度まで再現ができるよそう。)また、樹脂は0.05〜0.1mmずつ積層できるため、造形物の表面は非常になめらかで寸法精度も非常に高く仕上がります。

光造形式3Dプリンタでプリントした造形物。 ベッドに直接設置してプリントすると、取り外しの際に形状が歪む可能性があるため、 ラフトやサポートを付けておく必要がある。

FDM式の3Dプリンタの場合、下に設置されたベッドに樹脂を積み重ねていきますが、SLAの場合は上に取り付けられたベッドに樹脂が貼り付けるように積層されていきます。そのため、製作方法に違いはあれど、どちらもサポート材と呼ばれる補助部が必要となります。(ただし、FDMの方がサポート材なしで製作できる場合が多くあります。)

加えて、FDMの場合はプリントが完了したらそのまますぐに使用可能ですが、SLAの場合は洗浄と乾燥(場合によっては追硬化も)が必要です。というのも、SLAでは造形物を液状の樹脂(レジン)に浸しながらプリントをするため、完成直後の造形物の周りには液状の余分な樹脂が付着しています。それをIPA(イソプロピルアルコール)に浸して洗い流し、乾燥させるという工程を経てようやく使用できる状態となるのです。

2. 光造形式3Dプリンタの不得意なこと(一例)

非常に精度が高く、美しい造形物をプリントできる光造形式3Dプリンタにも、不得意なことがいくつかあります。

 

(1) 内側に空間のある造形物のプリントが苦手

熱溶解積層法(FDM)の3Dプリンタの場合、造形物の内部を埋める材料量を1%単位で決めることができます。しかし、光造形式(SLA)3Dプリンタでは、内部を100%充填させることしかできません。

1mm厚の壁で構成された10mm角のキューブ。内側に入り込んだ樹脂(レジン)を排出するため、直径3.5mmの穴を空けた。

 

そのため、造形物の内部に空間を設けたい場合(中空にしたい場合)には、データの時点でそのように設計しておく必要があります。また空間を設けた場合、そこには硬化していない液状の樹脂が入り込んでしまうため、それを排出するための穴を必ず空けておかなければいけません。(Form2の場合、その穴は最低でも直径3.5mm必要と言われています。)ただ、穴が1箇所にしか空いていないと排出がややしにくいため、可能であれば空気の通り道となる穴をもう一箇所くらい空けておいた方が良さそうです。(そちらは直径1mm程度でも問題ないかと思います。)

 

(2) 食品または飲料に混入したり、医療目的で人体に使用することはNG

こちらのページにも記載されていますが、一部の樹脂を使用した場合を除いて、基本的にSLAでプリントされた造形物は食品や飲料に混入したり、医療目的で人体に使用することは厳禁です。(もちろん、液状であっても固形物であっても飲み込むことは絶対にNGです。)また、SLA用の樹脂を扱う場合、必ず手袋やマスクを着用するほか十分に換気を行う必要があります。


 

ここまで光造形式3Dプリンタの代表的な特徴をまとめました。以下のサイトにも詳しい情報が記載されていますので、そちらもぜひ合わせてご覧ください。

また、FabLab SENDAI – FLATでもプリントした造形物のサンプルを配布しておりますので、ご興味のある方はぜひお気軽にスタッフまでお声がけください!(数に限りがございますのでお早めにどうぞ!)