韓国 ソウルで開催された第5回ファブラボアジア会議に参加してきました!

ファブラボアジア会議とは、ファブラボ運営者を中心にアジア各国の人々が集まり、様々なディスカッションやセミナー、ワークショップを1週間かけて行なうというもの。今回は、まず1日目の午後に参加者受付とネットワーキングパーティが行われ、その後4日間は午前中にラボプレゼンテーションと基調講演、午後からはワークショップが行われるというスケジュール。そして最終日には、会期中に行われていたハッカソンの表彰式と会議の総括、来年のアジア会議開催地の投票が行われました。
FLATスタッフは3日間のみの参加でしたが、各地のファブラボによるプレゼンテーションやワークショップが盛りだくさんの非常に内容の濃いイベントでした。


 

まずは、各ラボのプレゼンテーションから。

 

ベトナムのファブラボサイゴンでは、バイオプラスチックなどの循環型マテリアルのプロジェクトを進めているそう。特にBioacademyやFabricademyで見られるように、素材そのものから自分たち作るという動きが各地のラボで見え始めてきています。

 

FabLab SENDAI – FLATからも大網がプロジェクトをプレゼンテーション。特に、各地で行なっている分解ワークショップと、Sonic PiとTouch Designerを使ったプログラミングワークショップ『SONIC DE CODE』に興味を持つ参加者が多かったようです。

 

ファブラボバルセロナのTomas Diezからは、自身が推し進めているFabCityProjectやFabFoundationについて説明されました。Wikifactoryをベースとしたプロジェクトページでは、各地のファブラボやメイカーが作った作品とそのプロセスが公開されています。これまで、各ラボでどんなプロジェクトが行われているかを知る方法としては、それぞれのWebサイト等を見たり会議に参加するというのがメジャーでしたが、このように一箇所に情報が集約されることで、ラボ間での協同プロジェクトも発生しやすくなるかもしれません。

 

FabCityProjectでも様々な取り組みがなされていたのですが、その中でももっとも印象的だったのがこちら。なんと、材料を設置するだけでそのサイズを自動的に計測してくれるというツールなのだそう!地域で手に入る自然材料でものを作ろうとすると、サイズが揃っていなくていちいち整えるか計測をしなければならないと手間がかかってしまうもの。その面倒な部分を全て代替わりしてくれるツールなんて、本当に夢のようです。

 

午後からはいくつかのワークショップに参加。こちらはソーラーパネルを使った箱型ライトをつくるプログラムです。地元の一般の方もプログラムに参加していたのですが、年齢や性別は関係なく、目についたものはとりあえずやってみる(作って見る)という姿勢がとても印象的でした。

 

仲良しのファブラボ台北のワークショップにも参加しました。レーザーカットされたテンプレートをもとにダンボールを切りはりして作品をつくるというもの。

 

できあがったのはアイアンマンのマスク!パーツが多くて心が折れかけましたが、なんとか形になってよかったです!

 

マスクのワークショップを企画したのは、こちらのBobさん。もともと台湾の人形劇「布袋戲」の人形作家であったBobさんは、数年前にデジタルファブリケーションと出会い、3Dデータの作成もそこから勉強を始めたそう。現在はどのようにマスクを製作しているのか、一から丁寧に教えてくれました。また、使用したツールや情報のリストはhackfolderというサイトにまとめることで、すぐに人に説明できるようにしているそうです。

 

木製のスタンドライトづくりにもチャレンジ。箱型ライトをつくるプログラムを行っていたのと同じ団体によるものですが、こういったものづくりのための材料を販売している会社というだけあって、パーツ選びが秀逸です。

 

会場の外に移動すると、なにやらおしゃれな作品が。

 

細く切った布を、日本でいう膠のようなゼラチン質で硬化させたタイルだそう。デジタル工作マシンを活用して、フレームのデザインの幅をもっと広げていきたいとのことでした。

 

こちらは、ロボットアームにヒートカッターを搭載したマシンを開発するグループ。

 

ロボットアームの動きがスムーズなので、とても滑らかに発泡スチロールをカットすることができます。

 

左がロボットアームが切ったもの、右が人間の手で真似して切ったもの。その差は歴然です。

 

この技術を活用して大型の発泡スチロールを加工し、コンクリートブロックの型として納めているそう。部屋の奥には更に大きなロボットアームもあり、ワクワクが止まりませんでした。

 

他にも、会場となったソウルイノベーションパークの敷地内には様々な作品が展示されていました。

 

敷地全体を使って市民が思い思いのプロジェクトに取り組んでいる様子を見て、とても刺激を受けました。いつか仙台にも、こんなふうにあらゆるものを生み出すことに特化したエリアができたら面白そうです。

 

ちなみに、来年のファブラボアジア会議は上海での開催が決定しました。次回は私たちも何かしらのワークショップができたらいいなと考えています!